このような意見に対して、お応えしていきます。
✔本記事を読むメリット
- 工場実習でやることがすべてわかる
- 工場実習がつらいと言われる原因がわかる
- 経験者の体験談が知れる
メーカーに勤務すると、必ず工場実習に参加します。
特に自動車業界は現地現物が重要であり、新入社員研修が終わった後、1年以内に3ヵ月から半年程度工場実習があります。
工場実習は体力勝負であるため、普段体を動かす習慣がないと、本当にきついです。
また新入社員が退職しやすい時期は工場実習中と言われており、心身を壊して会社を辞める人が後を絶ちません。
すでにうわさを聞いて、工場実習に行くのが不安である方が多いと思います。
そのため本記事では、「工場実習でやることすべて」を工場実習経験者である僕が解説します。また、「工場実習のつらさ」や、「レポートの書き方」、「乗り切るためのコツ」を解説します。
Contents
【工場実習の実態】開始~終了までとにかく忙しい
工場実習は始まる前から終了日まで、とにかく忙しいです。冗談抜きで、想像の10倍はきついです。。。
「工場のラインに入るだけでは?」と考える方もいると思います。しかし、「工場実習に行く前の事前準備」「慣れない力仕事に加え、普段より多い残業」「実習中に提出するレポートや改善提案」等上げればきりがありません。
そのため、工場実習に行く前に心構えや準備をしておくと、精神的に楽になります。
まずは、工場実習の流れを解説しますので、ひとつずつ見ていきましょう。
工場実習前に引っ越し等やることがたくさん
意外かと思いますが、工場実習前にやることはたくさんあります。
筆者が工場実習に行く前に下記の4つの手続きや準備を行いました。
- 工場近くの寮に引っ越すための手続き
- 引っ越しに伴い、通勤・住所変更の手続き
- 実習中に必要なレポートや改善提案・予防接種等の書類集め
- 工場実習中の服装や必要な用具の注文
工場実習中は実習先近くの寮に入るのが一般的です。
そのため工場実習に向かう直前に準備を行うと、手続きの不備や時間不足のため入寮できないことがあります。
また、実習に必要な書類や服装を購入しないと、追い出されることもあるので事前準備はしっかりとする必要があります。
工場実習が始まる1ヶ月前には情報が展開されます。配属先の仕事が忙しくても、工場実習の事前準備を優先して、早めに行動を起こしましょう。
また情報が開示されない場合は、人事に直接問い合わせるなど、早めに対策を行うのが吉です。
メーカーの工場実習期間は1週間~1年程度
工場実習は大卒新入社員を対象に、数週間~1年程度工場で実習を行います。時期は4月に新入社員研修を受けた後、配属される前に実施されます。
筆者の場合は、会社の都合で2年目夏の3ヵ月間工場実習に参加しました。
他会社の友人は、配属してから半年後に工場実習にがあったみたいなので、近年はどのタイミングで工場実習に行くかは予想できない場合が多いです。
ただし、工場実習の期間は会社ごとに決まっている場合が多いため、職場先輩に聞いてみると良いかも。
工場実習の内容は組み立て工程がほとんど
工場実習は、「ライン作業」「検査」「物流(荷運び)」等ありますが、99%の新入社員は「ライン作業」へと配属されます。
「ライン作業」とは、物を組み立てる作業のことです。
自動車を組み立てる際、一つのラインで3~4万個の部品を使い組み立てるのではなく、各パーツごとにわけ生産してから組み立てていきます。
工場実習性は、このパーツを組み立てるラインに配属されます。
また工場実習先は、自分で選ぶことはできません。基本的には本配属先の先輩が過去に行ったラインの担当になることが多いです。
配属部署によって飛ばされる工場実習先もある程度決まっています。生産技術や設計はラインでも体力的にきついところ、開発や実験は小型組み立てラインや物流等楽なラインに配置される傾向にあります。
工場実習中にレポートや改善提案等を複数回提出しないといけない
工場「実習」であるため、レポートの提出は必須です。
これが本当に面倒。生産が始まればラインから離れられないため、業務時間中にレポートを書くのはほぼ不可能です。
必然的に業務時間外に書くことになります。またレポートの記入量も多く、1つ仕上げるのにかなりの時間を必要とします。
また、自動車会社ならレポートに加え改善提案を記入・実施します。
これも業務時間外で対応することが多くかつ複数回提出する必要があるため、負担が大きいです。
工場実習はきついと言われる理由
工場実習を経験したほとんどの人が口にするのは、「工場実習はきつい」です。
工場実習先によって実際に行う仕事内容はガラリと変わりますが、
中でも共通しているのが、下記2つであり、工場実習がきついと言われる理由でもあります。
- 夜勤がある
- 同じことを繰り返す
1つ目の「夜勤がある」は、基本1週間ごとに朝勤・夜勤と切り替わります。この切り替わりの時間が短いため、慣れず体調を崩す人が出てきます。
特に、夜勤→朝勤の切り替わる週が大変で、週休2日なのに実質1.5日しかないため、なかなか疲れが取れません。
2つ目の「同じことを繰り返す」は、文字通り8時間ずっと同じことを繰り返します。配属先によれば、1日に2000回以上同じ作業を行います。実際に僕は、1日に同じ作業を3000近く繰り返して、ノイローゼ気味になりました...
工場実習にもメリットはある
工場実習はつらいことがたくさんありますが、一応メリットは2つあります。
- 給料が増える
- 新卒後配属された部署の仕事内容をリセットできる
1つ目の「給料が増える」は、”夜勤手当”があること、”残業が多い”ことが原因で、普段よりも多くの給料を頂くことができます。
僕の場合は、普段残業ができないこともあり、工場実習中の給料がいつもより+10万~15万円ほど増えていました。
2つ目の「仕事内容がリセットできる」は、言葉通り工場実習前後で振られる仕事が変わります。
工場実習が最長1年程度あるため、その期間に受けていた業務は別の人に引き継がれます。
そのため、工場実習に行っている間に引き継いだ仕事が終わっていることがあるため、そこで「仕事内容が一度リセット」されます。
工場実習のレポートに困ったとき書くこと
工場実習に行くと必ずレポートを書きます。僕の場合は、”工場実習前” ”2か月後” ”終了直前”の計3回書きました。
大学みたいにレポートの内容によって目に見えて評価が変わることはありませんが、それでもきちんとしたレポートを書けるほうが良いです。
もしレポートの書く内容に困ったら、下記のように書いてみましょう。
”工場実習前”
内容:工場実習を通して学びたいこと3つ程度とそれに対する深堀
具体例
- 実際の業務での指示により生じる責任の重さを実感する
- 作業員とコミュニケーションをとることで、多角的な視点を養う
- 現場ベースでの製造プロセスを理解する
”中間・最終報告”
内容:工場実習前に考えていた学びたいことが達成できたか。
具体例
- 最初の報告書の職場先輩や上司が記入した内容に対しての返答
- 実際の業務に、工場実習で学んだことをどう活かす
工場実習を行う理由を考えながら書くと、書きやすいので、上記を参考に実際に書いてみましょう。
工場実習経験者が語る乗り切るためのコツ
工場実習で途中リタイアする人は、それなりにいます。
工場実習が行われるのは、社会人1年目の場合がほとんどなので、実際の仕事を経験せずにやめることになります。
辞めた後転職しても、前職の経験が全く活かせないため苦労することが多いです。
そのため、工場実習中に退職しないよう、工場実習経験者である僕が、工場実習を乗り切るコツを2つご紹介します。
事前準備が大切
工場実習が始まる前から、戦いは始まっています。実際に工場実習が始まると、慣れるまで疲れて動けません。
そのため、1ヵ月分の水や時短できる家電などを導入することをおすすめします。
実際に僕は、3か月分の生活必需品や、1ヶ月分の水などを工場実習前に購入して、外に出かける回数を抑える工夫をしていました。
休日の使い方が重要
工場実習中は休日の使い方が重要で、特に「睡眠時間の確保」と「ストレスの発散」に失敗すると業務時間が地獄になります。
「睡眠時間」がとれない場合、作業に集中できない程度なら良いほうで、そこから重大な事故につながる恐れがあります。
また休日に「ストレスの発散」ができないと、集中不足によりミスに繋がります。
自分の身を守りたいなら、「睡眠時間の確保」と「ストレス発散」には気を使いましょう。
まとめ:慣れるまでは本当にきつい…
工場実習の作業は、慣れるまでは本当に大変です。実習中の負担を少しでも減らすために、事前準備はしっかりしておきましょう。
僕は夜遅くまで起きることが苦手で、夜勤中は常に辞めたいと考えていました。今思い返しても、もう二度とやりたくないです。しかし実際の業務で工場実習の経験が活かせるのも事実であり、それに助けられていることもあります。
また、工場実習は避けられない「研修」でもあります。絶対にやらないといけないなら、少しでも負担が少なくなるよう、本記事を参考に工場実習に臨みましょう。
あなたが工場実習が終わった後、「いい経験だったな」と思えるような、そんな実習になることを祈っています。
それでは、また。